ソーキと三枚肉、さらにポーク(=porkではなく)、さらに豚肉

 まずはこちらからお読み下さい。
 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090513/1242240426
 http://d.hatena.ne.jp/alice-2008/20090513/1242220596

 いわゆる「豚」という日本語に対して、訳される英語の単語について「swine flu」なのか、「pig flu」か「hog flu」かということが述べられている。
 英語についても、そもそも日本語で食用で「豚」と称されるものについてはあまり詳しくはないけれど、ふと、id:alice-2008の日記でporkという言葉にちょっと別のことを思い出したので、まったく関係のないことかもしれないけれど書いておきたい。

 ワタシが生まれ育ち成人する前まで育ったとある地では、厳密にではないかもしれないが、その地に住んでいた人々は、一般的に「豚肉」と呼ばれるものと、「ポーク」と呼ばれるものは分けていたと思われる。
 簡単に言えば、「豚肉」は屠殺されてのち、食肉加工会社でスライスされたりしたもので、スーパーかどっかで真っ白な発泡スチロールに載せられていたり、そば屋(必ずしも「蕎麦屋」ではない。←ここ重要。そもそもワタシが生まれ育った故郷には「蕎麦屋」はない(絶対的な断言です))の三枚肉やソーキになったりするものだ。
 そして「ポーク」と呼ばれるものは、基本的にアメリカ産と思われていたと思うのだが、実はスウェーデンデンマーク産の缶詰の豚肉をミンチにして、保存食として使っていたものを指していた。この辺は戦時下の食文化論ですなぁ。

 かなり恥ずかしいことを書くけれど、ワタシが生まれ育った故郷には、いわゆる寿司屋とラーメン屋がないところに生まれ育った。今は違うかもしれないが。おそらく、亜熱帯の海に育って、何らかの因果か黒潮の中途半端なところで捕まえられた魚だったり、醤油ベースも豚骨ベースもないのんべんだらりとしたラーメン屋もない地域に生まれた人間としては、ラーメンというのは、インスタントラーメンだったりする。実家で父親が土日に作っていたのは「チャルメラ」の袋麺だったんだけれども。
 そしてその際に「ポーク」をトッピングするということをいったときに出てきたのは、「チューリップ」の「ポーク」だった。そもそもだけど、父親の中で「三枚肉」や「ソーキ」をトッピングする発想はなかったと思われるのだが。
 サイコロ状に切られた分厚くて、異様に歯ごたえのある「ポーク」は、どこのラーメン屋にもない、というかありえないトッピングだったように思えて仕方がない。そもそも袋麺のラーメンもどきを作る父親を責めるつもりはないけれど。

 それにしても、今では「日本」のとある地域の一部としてカテゴライズされる場所で「豚肉」と「ポーク」はまったく違う扱いをされているのもちょっと面白かったりするし、あとその「ポーク」でいえば、その缶詰のラベルに「Spam」とあったは興味深いんですよねぇ。
 いわゆる、ジャンクメールに対して「Spam」という名称が、現在でもトラブルのネタになっているらしいし、ある、お世話になった高名な研究者によれば、そもそも不要な部位をミンチにして缶詰にしてそれを商品化したからって、某大学の講義で喋っていたけれど、本当かな?
 see : http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%91%E3%83%A0