時候の挨拶!?

私事ですが、今年からとある研究会の事務局をしています。
もうそろそろ研究会があるので、最近は細々とした事務作業ばっかりしています。
さて、事務局としてのお仕事として、案内文を書くことがありました。もちろん普段書きなれていないので、丁寧語や謙譲語、尊敬語などに気を使って書かないといけないのです。
今のネット社会では、時候の挨拶、たとえば6月初旬だったら

「初夏の候、皆様にはいっそうご活躍のこととお慶び申し上げます。 」

なんて文章を枕に入れる文章を書くわけです。
ですが、普段そのようなビジネス文書を書いた経験がないワタシは何と書き出していいかわからずに、ネットに数多ある時候の挨拶を参照していました。そしてとあるサイトの文章を見ていたら、衝撃的な時候の挨拶がありました。
一応6月の挨拶です。
最初の方は


入梅の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」

ま、スタンダードです。そして、


「久しく会わないうちに、季節は梅雨に入りました。皆さんお元気ですか。」

ま、この文章は割と親密な関係にある相手先に送る分には問題ないかと思います。続きまして、


「雨ばかりで気が滅入りがちだけど元気かい?オレはとても元気だよ。」

かなりフランクです。イヤ、フランクすぎます。
時候の挨拶で「元気かい?」や「オレ」って言葉を使うのはどうかと思います。
こんな文章を行政や企業に送ったら、とんでもないことになります。

さて、ここでこのサイトは終わりじゃなかったのです。最後にとんでもない時候の挨拶がありました。



「君の夏の制服姿も可愛らしいのでしょうね。」

えっ?「君の夏の制服」?
これって一応時候の挨拶だよね?
なんで相手先の制服がかわいいかどうかまで知っているの?
しかも文章の枕にこれをもってきて、どんな案内したいの?
かなり親しい相手に送付するには、言葉遣いがやけに丁寧だし。だけど相当親密な関係性でも、この書き出しは引くでしょ?

ちなみに気になって各月の挨拶をチェックしてみた。
きわめて親密な関係性が一方向性的に担保されているもので、いくつかピックアップ。

1月:
「お正月気分は抜けましたか、
新春とは申しながらまだ厳しい寒さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。」

→いや、まだ抜けていないかもしれないが。

2月・3月:特になし。

4月:
「春らしくなったね。元気か?オレはとても元気だよ。」

「街路樹も、あなた様のようにお美しく輝く季節になりましたが、いかがお過ごしですか。」
送り主送り先相手を街路樹の美しさにたとえるとは、さすがです。

5月:パス

6月:
「今年もクールビズへの衣替えですが、今年こそおしゃれでもしてみませんか。」
→普段はオシャレじゃないってことなのかしら?大きなお世話です(怒)

7月:
「蒸し暑い日が続いてるけど夏バテなんかしてないか?オレはとても元気だよ。」(←ちなみに8月にもある)

「マリンスポーツの季節になりましたが、もう海にはいきましたか。」
→一緒に海に行きたいの?

8月:パス

9月:
「澄んだ青空が秋を感じさせますね。そちらでは稲刈りはもう終わりましたか」
→送り先は、農家だったのか。

10月:
「収穫の秋を迎えて美味しいものをついつい食べ過ぎてしますこのごとです。」
→末尾が意味不明なんですけれど。。。

11月:
「森の木々も、あなた様のようにお美しく華やかな季節になりましたが、いかがお過ごしですか。」
→秋になって、落葉樹は枝と幹しかないと思うのだが、それが華やかになっているの?

「澄みきった秋空のように聡明なあなた様を思い、ペンを走らせております。」

「秋の夜長をあなたに会える日を一日千秋の思いで過しています。」
→挨拶文というよりも、ラブレターでしょ?

12月:
「今年はあなたにとって良い年でしたか。私はとてもよし年でした。」
→いきなり報告かい!

うーん。ネットでテンプレート的にコピペできるのはいいけれど、こんな文章で普通書かないでしょ?
スパムメールには使えそうな文章なのかも知れないなぁと思ったりするが、どうでしょうか?
結局、挨拶文は少しは自分で考えないといけないですね。ってことでおしまい。(wrote 2007.06.02)